1. HOME
  2. 事業内容
  3. 橋梁・トンネル関連
  4. コンクリート試験

コンクリート試験

調査対象物からコンクリートコアを採取し、各種コンクリート試験を行います。
 

中性化試験

一般に、健全なコンクリートはpH13~14の強いアルカリ性を保っていますが、大気中の炭酸ガスなどと反応する事によって、表層部から内部へとアルカリ性が失われて行きます(中性化)。
 
コンクリート中の鉄筋は、強アルカリ中にある場合には錆びにくい性質を持っていますが、中性化が進行し鉄筋周辺のアルカリ性が失われると、一転して錆(さ)びやすい状態になります。錆びが進行すると、表面のコンクリートが剥がれ落ちたり、さらに鉄筋が痩せ細っていきます。すると、構造物の強度自体をも低下させる危険な状態になっていきます。
 
従って、中性化深さを知ることは、コンクリート構造物の健全性を判断する上で重要なのです。
 
concreteTest_01.jpg    コンクリート表面に試薬(フェノールフタレイン1%溶液)を噴霧すると、アルカリ部が赤色反応することにより、容易に中性化深さ(表面側の無色部)を知ることができます。

 

圧縮強度試験(静弾性係数試験)

コンクリート構造物にとってコンクリートが充分な強度を持っていることは安全上かかせません。実構造物より採取したコンクリートコアを用いて、強度試験を行います。
 
concreteTest_02.jpg   
コンクリートコアを試験器にセットし、破壊するまで加重していきます。破壊時の荷重からコンクリートの破壊強度(圧縮強度)を知ることができます。
 
また、破壊に至るまでの変形(ひずみ)具合から変形特性を調べます(静弾性係数試験)。ひずみ方も健全性の指標となります。

 

塩化物イオン含有量試験

コンクリート中に過度の塩分が混入すると、コンクリート内部の鉄筋に錆びを引き起こします。
 
塩分の混入経路は様々ですが、代表的なものとして、海水、道路の凍結防止剤(NaCa・NaCl)の影響が挙げられます。鉄筋が錆びることの弊害は中性化と同様ですが、塩分が作用すると、その進行速度は著しくなります。構造物より採取したコンクリートを用い、化学分析により塩分の混入量を調べます。
 
concreteTest_03.jpg    concreteTest_04.jpg
塩害劣化した構造物  
構造物より採取したコンクリートを用い、化学分析により塩分の混入量を調べます。
 

残存膨脹量試験(JDI-DD2法・カナダ法)

コンクリートは、セメント・砂・石・水を材料に出来上がっており、強いアルカリ性を持っていますが、材料に使われる石のうち、ある種の石は、アルカリと反応してコンクリート中にアルカリシリカゲルと呼ばれる物質を生成します。アルカリシリカゲルは、水を吸収し膨脹する性質を持っており、その膨脹圧力によりコンクリート表面にひび割れを発生させます。
 
著しいケースでは、亀甲状に大きなひび割れが発生し、鉄筋を破断させることもあります。このアルカリ骨材反応ですが、依然として未解明な部分もあり、対策にも限界があるのが現状です。
 
concreteTest_05.jpg    concreteTest_06.jpg
アルカリ骨材反応劣化の例   試験の様子

 

アルカリ骨材反応による劣化はコンクリートの膨脹により、ひび割れとして顕在化します。残存膨脹量試験は、既にアルカリ骨材反応による劣化を生じたコンクリートが、今後さらに劣化(膨脹)する可能性をどの程度持っているかを調べるものです。

 

反発硬度測定

シュミットハンマーを使用し、構造物を傷つけることなくコンクリート強度や均質性を推定します。
 
concreteTest_07.jpg

  

 
試験の様子